特定寄付信託〜老後の寄付は計画的に〜
こんにちは!大悟です!
今日は老後に計画的に寄付ができる仕組み、特定寄付信託を紹介します。
平成23年に大幅に税制改正がなされたものの、日本では未だマイナーな寄付方法です。
そんな寄付の仕方もあるねんや〜、って知ってもらえたら嬉しいです!
目次
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プランドギビング税制
平成23年度税制改正で、特定寄付信託の利子所得が非課税になりました。
利子所得には通常20.315%の税金がかかります。
例えばあなたが100万円で年0.1%の10年定期預金を組んだとすると、満期時には
100万円×0.1%×10年=1万円の利子が付きます。
しかし、ここに20.315%課税されるので、実際にあなたが手にする利子は
1万円×(1-20.315%)≒7968円です。
2,000円以上税金を取られてしまいます。しかし、特定寄付信託に預けたお金から得られた利益は税金がかかりません。
計画的に寄付することを予め約束してくれるなら、税金は払わなくていいですよ〜。
その分、あなたが支援したい団体にお金を寄付できますよ〜。
という制度が、プランドギビング(計画された寄付)税制です。
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特定寄付信託の仕組み
特定寄付信託の商品概要について説明します。
ご高齢の資産家が、あと何年生きるか分からないから大口で寄付をするのは怖い…、でも遺贈寄付に至るまでに生前から寄付も始めたい…。
そんな悩みを解消するのが特定寄付信託です。
例えば70歳資産家が3億円で30年満期の特定寄付信託を組み、毎年30%を受け取るとすると、
毎年1,000万円のうち700万円は指定したNPOへ寄付として送金され、300万円は個人に年金のように支払われます。契約期間中に契約者が亡くなった場合、残りの信託財産は全額寄付されます。
契約者にしてみれば、毎年300万円受け取れれば、老後資金は安泰です。また寄付先が税制優遇適用団体であれば、寄付金控除が受けられます。その上、運用益も非課税ならメリットが多いです。また、寄付先から毎年活動報告もしてもらえます。活動報告によっては、寄付先を変更することも可能です。亡くなった後は全額寄付されるので、余計な相続争いも起こりません。
信託銀行にしてみれば大口で財産を受託できるチャンスであり、NPOにしてみれば向こう30年の収入の見通しが立つので、より長期的な目線で社会変革にあたれます。
まさに売り手によし、買い手によし、世間によしの三方良しの商品に思えます。
しかし、日本ではまだまだ普及していないのです…。
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アメリカでは普及しているプランドギビング
もともと1969年にアメリカで生まれたプランドギビング。日本に存在する特定寄付信託と異なり、株や投資信託といった有価証券、土地も寄付信託を通じて寄付することが可能です。
個人の資産運用と寄付が当たり前のアメリカならでは、という感じがします。
寄付者にしてみれば、
- 単なる遺贈寄付と違い、生前から大口寄付による満足感が得られる
- 年金のように定期的な収入が得られるので、生活設計しやすい
- 手厚い税制優遇がある
と、寄付意欲旺盛な資産家にしてみれば「やらない理由が見当たらない商品」と言えるでしょう。
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日本で普及するのはまだ先かも…
普段から資産運用も寄付もガッツリやっている私からすると、特定寄付信託はとても魅力的に思えます。
しかし日本では、そもそも信託銀行やNPO側の認知度が低く、寄付者が知ることもなく終わることがほとんどのようです。
ある大手信託銀行のHPによると、一応商品として存在しているものの、年金として自分が受け取れなかったり、そもそも信託期間が5年しかなかったりと、まだ改善の余地が大きそうです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
英語:1h