遺贈寄付〜最期の自己表現〜
こんにちは!大悟です!
亡くなった方の遺産を寄付すること、遺贈に注目が集まっています。
日本ファンドレイジング協会のデータによると、40歳以上の実に2割が遺贈寄付に興味があるということが分かってきています。
今日は、そんな人生最後の自己表現、遺贈について考えます。
目次
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時は大相続時代!
現在日本人の平均寿命が伸び、少子高齢化が進んだ結果、個人金融資産の7割近くを60歳以上が所有していると言われています。80〜90代で亡くなった親の資産を相続するのは、60〜70代の子供というケースが多いのです。
お年寄りがお年寄りに相続するということは、高齢者の中で富が循環し続ける、ということを意味します。
今では年間50兆円ものお金が相続されています。平成29年度日本政府の税収が57.7兆円ですから、ほぼ同じくらいの規模のお金が毎年個人から個人へ移動しているのです。
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遺贈は外せないファンドレイジング手法に
遺贈寄付を語る上で、相続税の話は切っても切り離せません。
相続税には、基礎控除額という非課税の枠があります。これ以下のお金の相続であれば少額なので、税金取りませんよ〜っていうラインのことです。
改正前:5,000万円 + (1,000万円 × 法定相続人)
改正後:3,000万円 + (600万円 × 法定相続人)
例えば、夫が亡くなり、妻と子供2人が遺された場合、改正前の基礎控除額は8,000万円でしたが、改正後は4,800万円です。
もうお判り頂けると思いますが、政府も大相続時代に合わせて、しれっと増税しています(笑)
改正前後では、相続税課税対象者は約1.8倍に増えたと言われています。
信託銀行に勤める知人によると、遺言を年間何件受け入れてくるというノルマが社員に課せられている、という話もあるくらいですから、行政も企業も大きな市場獲得に向けて躍起になっているのです。
もちろんこれはNPOも関係大アリです。冒頭で紹介した、遺贈寄付に興味のある2割の方々のうち、実際に遺書を残しているのは3.9%です。きちんと遺書が残されていなければ、寄付に繋がることもありません。NPOによる寄付教育と遺贈受け入れ体制の整備は急務です。
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ある若き経営者の話
私が実際にお会いしたドナーの中に、若くしてご自身の会社を切り盛りされている社長がいらっしゃいました。
社長はかものはしプロジェクトのことをとても熱心に支援してくださっていて、我々の活動報告にも真摯に耳を傾けてくださっていました。
私のような駆け出しの若者でもきちんと目を見て、私がカンボジアで実際に見て感じたことにも頷きながら話しを聞いてくださり、ただただ社長の器の大きさを感じるばかりでした。
ふと社長が、
「私は子供に財産は一切残さないつもりです。代わりに生きる力や価値観は存分に残してやりたい。」
と仰ったのが、私にはとても印象深く感じられました。
自分の哲学を後世にどんな形で継承していくのか?遺贈は究極の寄付、ドナーピラミッドの頂点と言われる所以を肌で感じたエピソードです。
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人生のエンディングをお手伝いする
今後ますます日本人にとって、遺言を書くことが身近な行為になっていくことは自明です。我々ファンドレイザーができることは、故人の遺志を適切に社会に反映する責任を負うこと、人生のエンディングを輝かしいものにするお手伝いをすることです。こんなにも人の気持ちに寄り添える仕事はありません!私はとてもやりがいのある仕事だと感じます!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。