「ファンドレイジング」ってなに?

 

 

①「ファンドレイジング」という仕事 

ファンドレイジング は日本語に直訳すると、「資金調達」という意味です。

言葉をそのまま説明すると、NPO、NGOといった団体が活動していくために必要な資金を調達する、という仕事になります。

 

 

 

NPO業界に来てまで営業やるの…?と疑問に思われた方もいるかもしれませんが、私はこんなに楽しい仕事はないんじゃないかと感じています。

 

ファンドレイジングは単に寄付を集める、という仕事に留まりません。

NPO団体の多くは、資源不足に悩まされています。ここでいう資源とは、ヒト・モノ・カネの総称です。圧倒的にリソースが足りないんですね。

 

しかし、NPOを起業するような経営者の方々は、皆さん、自らが解決したいと思っている社会課題に対する熱量がハンパじゃありません。

(私がお会いしたNPO団体の代表は一人の例外もなく、心の底からミッションを達成したいと思い、決意して、並並ならぬ努力をされています。)

経営者が持っている熱やパワーが凄まじくても、それだけではカタチになりません。

事業を回すだけのお金も必要、仕事に打ち込める場所も必要、何よりビジョンに共感してくれる仲間が必要です。

経営者のビジョンを形にすべく、ファンドレイザーは彼らと一緒に奔走することになります。

ビジョンの代弁者となり、たくさんの人に応援され、少しずつ社会が良くなっていく…、その現場の最前線に立つ仕事がファンドレイザーなのです!!

 

 

 

 

 ②寄付をするメリット

ファンドレイジングに携わってから、私はまだ3ヶ月ほどしか経っていませんが、その短い間の中でも、何度も、この仕事やってて良かった!!と感じる瞬間がありました。

 

いろんな嬉しいことがあったのですが、中でも一番嬉しいのは、寄付者の方から感謝の言葉や応援の言葉を頂いたときです。

 

これってちょっと不思議じゃないですか?

だって、感謝するのは、普通寄付をもらう側であって、施しをする側が「ありがとう」と言うのは、やはり普通の心理状況ではないように感じます。

 

つまり何が言いたいかというと、寄付をするという行為の受益者は、寄付によって救われる人だけではなく、寄付をする側もその恩恵があるということです。

 

例えば、今私が所属している、かものはしプロジェクトという団体は、インドで売られてしまう子供たちを守るため、ひいては人身売買や性的搾取をこの世界から根絶するために活動している団体です。

かものはしプロジェクトの受益者は、まずはインドの子供たちでしょう。そこは誰しも首肯するところだと思います。かものはしプロジェクトの活動によって、一人、また一人と救われている子供がいます。

 

しかし、寄付をする側も間違いなく、その恩典に預かっています。

「自分も社会貢献したいけれど、本業の仕事が忙しくて、なかなかそこまで手が回らない…」、「どの団体に寄付をすれば、そのお金を誠実に使ってくれるのだろうか…」、「国際協力に関心はあるけれど、現地の危ない地域に行くのはちょっとなぁ…」

そんな悩みがありながらも、それぞれの気持ちの強さや経済的事情に応じて、自分のできる範囲で、社会との繋がりを感じることのできる行為、それがまさしく寄付なんですね。

 

私自身、寄付をする、という行為が大好きで、自分の手元に入ってきたお金の1割を、寄付などの社会貢献活動に回すようにしています。

自分の元から出ていくお金を、感謝の気持ちを持って、社会に送り出していく、、、

この多幸感はなかなか他では得難い体験です。

寄付をして下さる方と、その感覚を共有できたとき、最高に喜びを感じます。

 

しかし、そんな私も初めから、寄付に関心が強かったわけではありません。

次回は、その経緯について書いていこうと思います。