NPOが遺贈寄付を受け入れる際に注意したいこと② 包括遺贈

こんにちは、大悟です。

前回に引き続き、NPOが遺贈寄付を受け入れる際に注意したいことを詳しくご説明していきます。今回は「包括遺贈」についてです。

 

 

目次

 

 

  • 包括遺贈と特定遺贈

包括遺贈は、被相続人の財産を財産別に特定せず、マルッと引き継ぐ遺贈のことです。包括遺贈で財産を引き受ける場合、NPOは他の相続人と同等の権利・義務を負うことになります。したがって、借金や連帯保証債務といった相続するにはあまり前向きになれない財産(消極財産)も引き継ぐことになります。包括遺贈を受けること自体には問題はないのですが、引き受ける前に消極財産がないか、きちんと確認する必要があります。

特定遺贈は、「認定NPO法人かものはしプロジェクトに金100万円を遺贈寄付する」というように、被相続人の財産を財産別に特定して引き継ぐ遺贈のことです。特定遺贈の場合、遺贈内容に消極財産が紐づいていない限り、NPOが消極財産を引き継ぐことはありません。

包括遺贈も特定遺贈も、NPOはこれを断ることができます(遺贈の放棄)。包括遺贈の場合、NPOは相続開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ遺贈を放棄する意思を申述しなければなりません。3ヶ月を過ぎると、遺贈を承認したものとみなされます。特定遺贈の場合、いつでも放棄が可能で時期の制限はありません。相続人もしくは遺言執行者に意思表示することで遺贈の放棄が完了します。

 

 

被相続人の財産を換金・清算した上でまだ余剰があった時に、残った財産を全部NPOに包括遺贈することを、清算型包括遺贈と呼びます。

もし、被相続人の全財産をもってしても、債務や支払いを賄えなかった場合、NPOはその債務を引き継ぐことになりますので、遺贈の放棄を申述する必要があります。

 

 

  • 対策① 受け取る前に債務精査を行う

遺贈は相続人の一方的な意思ですので、NPOはこれを断ることができます。特定遺贈の現金寄付といった、単純な遺贈寄付であれば何も問題はないのですが、包括遺贈に借金や連帯保証債務が付いてこないかは十分に注意が必要です。団体の大事なキャッシュが流出してしまいますので。

 

 

  • 対策② 生前に特定遺贈、清算型包括遺贈であることを確認する

もし生前に遺贈寄付者から遺贈の旨をヒアリングできた際には、必ず遺贈の形式を確認しましょう。遺贈寄付者が借金や連帯保証債務を自覚している場合は、本人も自然と特定遺贈や清算型包括遺贈を選択するはずです。しかし本人も自覚していなかった債務、目に見えなかった債務が発生する可能性もあります。

以下に清算型包括遺贈の文例を紹介します。参考にしてください。

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第1条(包括遺贈)

遺言者は、遺言者が本遺言効力発生時に有するすべての財産を、認定NPO法人かものはしプロジェクト【A】(住所:東京都渋谷区広尾5-23-5 長谷部第一ビル402号室)に遺贈する。

 

第2条(執行方法)

遺言執行者は、遺言者の財産を適宜換金し、同金額から遺言者の債務、本遺言の執行にかかる費用、葬儀費用、遺言執行者の報酬、その他一切の債務・諸費用を控除して、なお残余があるときは、これを前記【A】に交付する。なお、遺言者の財産のうち、遺言執行者にて換金が困難である財産については、【A】に対する名義書換の方法により承継させることを妨げない。

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参考文献

『遺贈寄付ハンドブック(改訂版)〜遺贈寄付を受ける団体や相談を受ける人が知っておきたい大事なこと〜』(日本ファンドレイジング協会、藤原印刷、2018年)

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。