遺贈寄付者の気持ちに立って考えてみよう
こんにちは、大悟です。
遺贈・相続財産寄付入門セミナー2018、第3回「事例編〜終活から見た遺贈寄付のポイント」に参加してきました!
今日はそこで学んだことを発信します。
目次
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遺贈寄付する側の気持ち
遺贈寄付とは、亡くなる人が生前に遺書によって寄付する意思を残し、死後に寄付を執行することです。
遺贈寄付者にしてみれば、
わざわざ決められた書式に従ってきちんと遺言を残す上に、
家族以外の団体に寄付する訳です。
かなり手間がかかる作業の中で、余計な憂いごとを増やしている、
と言っても過言ではないでしょう。
しかし、全国レガシーギフト協会のデータによると、
40歳以上の男女の21%が相続財産を一部寄付することに関心があるという調査結果があります。
人は死を身近に感じ始めた時、何を感じ、何が人を遺贈寄付へ向かわせるのでしょうか?
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遺贈寄付者のよくある質問
今回のセミナーでは、遺贈寄付者がどんなことに不安を感じているのかを皆で共有しました。
- 500万円以上でないと受け付けてもらえないのか
- 子どもがいないので何も残す必要がない
- 遺贈の手続きがよく判らない
- 不動産も遺贈できるのか
- どんな団体があるか判らない
- 遺贈寄付をするほどのストーリーがない
- 家族に内緒にしたい
遺贈寄付は誰もが初めての経験ですから、不安があって当然です。
遺贈寄付者のモヤモヤとした不安に応えられるかが、
こちらを向いてもらえるかどうかの鍵になります。
ちなみに一番最初の質問は500万円以上でないといけないかというと決してそんなことはなく、1000円でも立派な遺贈寄付です。
金額の多寡は関係ありません。たとえ1000円だろうと、遺贈寄付者の気持ちが乗った重たいお金です。
いくつもの実際の事例から、遺贈寄付者が何を思い、実際の寄付に至ったのかを共有しました。
この記事ではその中から、私が特に印象に残ったケースをご紹介します。
父親の相続財産から娘が国際NGOへ寄付した事例です。
お父様は行商(魚屋)から財を成した方でしたが、生まれは決して裕福ではありませんでした。
子ども時代は家が貧しかった為に、尋常小学校しか通えなかったお父様。
お世話になった社会に恩返しがしたいと考えていらっしゃいましたが、
志半ばで他界。その意思を娘さんが引き継ぎました。
娘さんはやはり子ども時代のお父様のように満足に教育が受けられない子どもを救いたいと考え、国際NGOに寄付しラオスに中学校を建設しました。
中学校ができる前は子どもたちは毎日10㎞以上歩かないと学校に通えませんでしたが、その中学校ができたお陰でその地域に住む子どもたちが学校に通えるようになりました。
その中学校の看板には、今もお父様のお名前とお父様が生前好きだった言葉が彫ってあるそうです。
「ラオスに行けば、父が生きた証がある」と満足そうに話す娘さん。
話はここまでではなく、
実は娘さんは寄付をする団体が本当に信頼できるかどうかを確かめる為に、実際にその団体のボランティア(切手貼りなど)として2年以上活動されたそうです。
それだけ団体が信頼できるかどうかということは、寄付者にとって重要なことなのです。
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私たち団体側が取るべき態度
遺贈寄付はその人の人生の総仕上げとも言える、とても重たいお金であり、それを受け取る団体はそれに対して謙虚であらねばなりません。
私たち団体側が自ずと取るべき態度は、
しっかりと遺贈寄付者の気持ちに寄り添うことです。
一緒に終活をお手伝いさせて頂くという意識が大切で、
それが遺贈寄付者が自分の人生を語りたくなる雰囲気を醸成します。
遺贈寄付者に安心して頂き、信頼してもらう為には、
私たち団体側が遺贈寄付者の大切なパートナーでいられるよう、
関係作りに尽力していきましょう。
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遺贈寄付者は一連の終活を通じて自分の人生を肯定することができ、それにより非常に高い満足感を得ることができます。
私たちはそのお手伝いをさせて頂ける立場にあるのです!
なんとやりがいのある仕事でしょうか!
私は遺贈寄付の見地に強み・武器・トガりを持ったファンドレイザーになりたいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。